【2017/04/14追記】「携帯ショップのヒドすぎる実態」に対する、元携帯電話販売員(ソフトバンク代理店の正社員)の弁明。

TAKASHIです。

ビジネスジャーナルに「携帯ショップのヒドすぎる実態」と題した記事があったので、元販売員の意見を述べたいと思います。
この記事で述べられているのはKDDI(au)の対応なので、若干の違いはあると思いますが、ソフトバンク代理店でもほぼほぼ同様のことがありました。

携帯ショップのヒドすぎる実態…高齢者に不要な商品買わせる、顧客アンケートを店員が記入  :ビジネスジャーナル

auショップ、店員の態度が悪すぎる!客に「ですからぁ!」とイラつき、間違った商品販売  :ビジネスジャーナル

では上記の記事の内容に書いてあることに対して元販売員の意見を言っていきましょう!!

いきますよ~!!

①顧客アンケートを店員が記入

そのツイートによると、渡された「お願いごと」という書類には、後日メールで届くアンケートについて、店舗の満足度は「大変満足」、スタッフの対応は「非常によい」などと回答するように書かれており、「必ず上記の回答でお願い致します」「【よい、ふつう】の評価は、不合格です」と念押しされている。

また、「アンケートの結果によっては、KDDIから指導を受けてしまう」「この部分が悪いとKDDIに怒られてしまう」という記述もあり、当該書類の画像もアップされている。しかし、アンケートの回答内容は個人の自由であり、率直な意見を反映させることで、ショップのサービス向上に役立てられるもののはずだ。

こちらについて。

代理店はアンケート評価によって販売手数料を得ています。

ただし、その販売手数料は毎月一定ではなく、様々な要因によって増減されます。その1つがこの接客アンケートなんですよね。

ソフトバンクではアンケートメール内の評価は当時、

  • 非常によい(10点)
  • よい(5点)
  • ふつう(0点)
  • よくない(-5点)
  • 全くよくない(-10点)

の5段階評価でした。auもこの記事の内容を見る限り5段階評価と思われます。そしてその横に付いている点数は、アンケート結果の平均を取ります。加点ではありません。

例。

Aさん Bさん Cさん Dさん 店舗平均
1人目 非常によい 非常によい 非常によい 全くよくない 5点
2人目 非常によい 非常によい 非常によい よくない 6.25点
3人目 よい ふつう 非常によい 5点
4人目 非常によい 非常によい 10点
個人平均 10点 8.75点 6.67点 1.25点 6.56点

全員同じ人数接客するわけではないので、一部未記入にしてあります。

平均式だと、よくない・全くよくない回答をされてしまうと挽回が厳しくなります。

そして、それを取った人が店舗全体の足を引っ張ることになります。

最上位評価を貰えるのが当時はたしか店舗平均9.5点以上。最低でも7.5点以上は欲しい。上記の例だと店舗平均が7.5点となるためには非常によいが7件9.5点にする場合は87件も必要になります。

アンケートは答えるとポイントが抽選で貰える仕組みにはなっているのですが、アンケート自体が結構な量になっているので、コメントも真面目に書くと10分ぐらいは時間がかかります(ラジオボタンをポチなので慣れていれば1分ぐらいで終わりますが)。

最後に自分の携帯電話の入力もあるので、途中で面倒になって回答を辞めるケースも少なからずあると思います。

更に、店員の懸念材料が、アンケート回答者が「なんとなく」で「全くよくない」を付ける可能性があるということ。笑えないです。

ちなみに、私の在籍していた代理店で最も高い回答率が90%台で、点数は10点でフィニッシュでした。ただし、上記のとおり一人が良くても、他の人が悪い点数をとってしまうと評価が下がってしまうので、うまくフォローする必要もあります。

例:
・クレーム等厄介なお客さんが来たら第一印象が良い人や店長が対応
・アンケート回答を促さない
(ソフトバンクではアンケートメールを英語で配信できる
・悪い点数を取った人は、そもそもお客さん対応をさせない  等。

あ、ちなみに、回答率20%未満は点数が0点として評価されます。

点数を上げるためにはアンケートをたくさんしてもらう必要がある(=接客を多くする)。

回答を促しまくらないと回答率20%未満になる可能性がある。ただし、よい・ふつうだと点数が下がる。

そこで、店員は安全・確実な自分自身でアンケート回答に走るわけです。自分で回答すれば100%、非常によいですからね。

アンケートメールでは店舗名が記載されているので、同一代理店の店舗であれば非常によいを、競合店であれば、全くよくないを付けることもありました。そうすればライバル店がダメージを受けますからねぇ。ふふふ。

【2017/4/14 追記】
以前勤めていた携帯電話代理店の人から、「アンケートやってほしい」と依頼が来たのでやってみたら、だいぶ内容が変わっていました。
非常によい、ふつう、といった表記がなくなり、明確に0点~10点の間で評価するようになっていました。
なので、マイナス評価になるというのはなくなったのかもしれません。

ちなみに、アンケートの中に、
「スタッフからアンケートの評価を高くしてほしい」と促されたか?
という項目がありました。
たとえ10点満点にしても、この質問に「はい」で答えたらアンケート無効にされそうな予感がしますね(笑)

 

②高齢者に不要な商品を買わせる。

ドキッとした人!

 

 

 

うんうん、わかる。

 

ほぼ全員ですよね。

ソフトバンクでは評価の対象にIoT製品というものがあります。IoTとはInternet of Thingsの略で、モノのインターネットのことを指します。携帯電話・タブレット以外で通信ができる製品のことです。

例えば、写真立て(フォトフレーム)とか、スマート体組成計とか、みまもりGPSとか。

全部通信ができます(=契約が発生しています)。

店員さんに、「(基本使用料が2年間)タダなんで~~~!!ぜひ~~~!!!(端末代金はかかります~~!最後の最後に説明します~~!)」って言われて購入した方。今すぐ契約内容を確認した方がいいです。恐らく通信料掛かってます。

一時期学割のキャンペーンでフォトフレームをばら撒いた時期があります。学割と一緒にフォトフレーム貰った方。今すぐ契約内容を確認した方がいいです。

いずれもいわゆる2年契約がついているので、更新時期を逃すと、もれなく違約金9,500円(税抜)がかかります。

で、ですね、若い人だと余計な商品って分かっているんで、「タダでもいらない」ってことになるんですよ。

高齢者だとその場で判断できないですよね。店員さんが笑顔で言っている。基本料金は0円だ。なら貰っておくか?というところから判断するんじゃないかと思います。

一応私は基本使用料無料だけど端末代金は掛かる旨は伝えています。

端末代金掛かるって聞くと要らないって言いますよね。私だって言います。

そこで、効いてくるのが、いわゆる「初月無料オプション」なんです。

店員さんに機種購入時に言われますよね。「最初だけ付いてきちゃうんです。」って。立派な抱き合わせ販売なんですけどね。

はい。高齢者の場合、結構な割合で加入したままになっています。

そこで、私はこう言います。

お客さん「端末代金掛かるの?じゃあ要らない。」
TAKASHI「そうですよね。あ、ちなみに、私オススメのオプションに変更してもらえれば、今と殆ど変わらない料金でこのフォトフレーム持てちゃいますよ!!」
TAKASHI「今、『ケータイ基本パック』と『あんしん保証パック』というものに入っているんですが、お客さん、割り込み通話とか、キャッチホンとか、留守番電話の再生をたくさん使いますか??」
お客さん「ん~、使わないな~。」
TAKASHI「あと、『あんしん保証パック』というものなんですが、お客さんどうですか、ケータイ落としたりしそうですか?
お客さん「さすがにストラップしているからしないよ~。」
TAKASHI「ですよね!ちなみに、今お客さんが使っているケータイ(ガラケー)って結構前のですよね。もし故障したとき、再度修理して同じものを使うより、新しいものを買った方がいいと思うんですよ~!」
お客さん「そうだな~。」
TAKASHI「さっきの2つのオプション外してもらえれば(500円*2種=1,000円)、このフォトフレーム(848円)を持っても今までより安くなるんですよ!!
お客さん「え?そうなの??」
TAKASHI「(紙で説明)、使わないオプションで余計なお金を払うより、有意義ですよ!!」
お客さん「そうなんだ~、じゃあこれお願い」
TAKASHI「ありがとうございます!!」

だいぶ簡略化し、やりとりを書きました。実際は製品の使い方・利用イメージももちろん伝えます。

これはアクセサリー販売にも応用ができます。ソフトバンクってアクセサリーを分割で購入できるんですよね(ソフトバンク契約者に限る)。方法は上記のやりとりのフォトフレームをアクセサリーに変えるだけです。

SDカードも分割にすれば月々の支払いは僅か。オプションを解除した料金と相殺すれば月々+数十円の料金でSDカードが購入できます。

営業トークのポイント?

 

オプションを外した時のお客さんの月々の携帯料金を言わないことかな?

若い人だと「じゃあそのままオプションだけを外したら安くなる」ってすぐに気付くんですが、高齢者だと早口でハイテンションで話しかけられると難しいんですよね。

ええ、ゆえにターゲットは高齢者になるんですよ。初月無料オプションも変更せずに入っている可能性が高いので成約率も高い。いやー、真っ黒な仕事ですなぁ・・・。

私の前科はガラケーで請求が毎月2,000円だったお客さんに、最新スマホ+ポケットWiFi+SD64GBその他アクセサリーで請求を毎月12,000円にしたことかな・・・。

店長からは褒められました。

 

③店員の態度が悪すぎる!

「客が理解できるように、説明してくれないのです。もちろん、『すみません、難しくてよくわからないのですが、今のはどういう意味ですか?』と丁寧に質問したが、それに対しても『ですからぁ!』と語気を強め、明らかにイラついているのが見て取れました。しかも、黙って話を聞いていたら、私が怒っていると思ったのか気まずそうな表情。最後はこちらが『ありがとうございました』と言って席を立ったのに、その店員は何も言いませんでした」

さらに、同じ店舗を利用したという別の客からも、次のような声が聞かれた。

「外出先で必要だったためガラケーの充電器を買いに行ったのですが、いざ使用時に開けてみたらスマホ用でした。探すのに時間が掛かったわりに間違えて渡すなんて……。その日は充電できずに困りました」(20代女性)

「接客業にしては言葉遣いが荒い」(20代男性)

上記ではauを例に挙げたが、インターネット上では他のキャリアに対しても、「ドコモの店員、全然やる気ない」「ソフバンはどの店舗も態度悪すぎて、もう解約したい」といったネガティブな書き込みが少なくない。

すいません。

私の代理店では日常的に態度が悪い、声が荒いって人は居なかったです。

でも、理不尽なクレームに対してはお客さんとバトル(言い合い)して、結果、声が荒げてしまう人は居ます。

普段は面倒見が良くて、話していても面白い方なんですけど・・・。

充電器の件は恐らく3rdパーティ製ではなく、純正品を商品コードで探したのでしょうか。商品本体は全く違いますが、商品コードは似ていますからね。それで中身を確認せず、持って行ってしまった。

と、思いたいです。

シンプルなデザインの外箱。

ソフトバンクの純正品だと最近のものはmicroUSBと記載があります。

が、

少し前のものだと、ACアダプタとしか記載がありません。。。なので、念のため本体開けてチェックもします。

 

次、いってみましょう!

 

④理不尽なクレームで辞める人も多い(バイトも新卒も)

そこで、実際に派遣社員として携帯ショップで勤務経験のある30代女性・Aさんに、ショップ店員の実態を聞いてみた。

「携帯ショップはアルバイトでも時給が高く、それ目当てで飛びつく人も多いですが、仕事としては覚えることが多くて大変です。その辺を理解せずに店員になった人は、『自分はバイトだし』くらいの感覚しかないのかもしれません」

都内のバイト情報サイトなどを確認すると、確かに携帯ショップは1500円~1800円前後の高時給が並んでいる。

その一方で、Aさんは次のようにも語る。

 

「修理に回すなど、ショップでは対応しきれない問い合わせも多い。もちろん窓口となるショップでも最善は尽くしますが、理不尽なクレームも少なくないので、嫌になって辞めてしまうバイトもたくさんいました」

給料に釣られるのは悪いことではないし、傲慢な客の対応をしなければならないのは同情する。しかし、店に立っている間は、バイトといえども販売員としての自覚を持ってほしいものだ。

私が経験した中で理不尽なことだと例えば、そうだなぁ

(液晶破損したスマホを持ってきて)「スマホを持ったら画面が割れた!!ふざけるな!!」

→はぁ。

とか

「契約事務手数料(3,000円)が掛かるなんて聞いてない!!」

→(書類にはバッチリマーカー&手書きしてある書類を持ってくる)

とか

「iPhoneがショップで修理できないなんて聞いてない!!商品を売る側としておかしいとは思わないのか!!!」

→(「iPhoneご契約に際しての注意事項」にサインしましたよね?)

そこからのー

「でも、それお客さんには関係ないよね?そっちの都合だよね?」

ですかねぇ。

そりゃこっちが注意事項にマーカーしたりして説明しているのに「聞いてない」でクレーム来たらバトルしたくなりますよ・・・。

 

まとめ

内閣府が定期的に調査結果を発表している「消費動向調査」によれば、2016年度3月時点でスマホの普及率は67.4%(世帯ベース)、ガラケーなどスマホ以外は64.3%の普及率となっている(2人以上の世帯対象、4038世帯から回答を得ている)。また、15年度の携帯電話の普及率は95.3%とのこと。今後さらに生活に浸透していくことが予想されるが、キャリア同士の品質や価格競争と同時に、ショップの対応も見直してもらいたいものだ。

根本的に代理店の評価方法を変えないと難しいと思います。
「あんしんショップ認定制度」なるものが始まるようですが、
安心して契約できるショップを増やす「あんしんショップ認定制度」スタート  :ケータイ Watch

「あんしんショップ認定制度」は、全携協に加盟する携帯電話キャリアショップ(全国8500店舗)が対象となる。当初は自主的に申請した全店舗に認定マークが付与される。10月にショップからの申し込みの受付を開始する。認定マークを掲げた最初の店舗は2017年の1月に登場する。当初は2000店舗程度となる見込み。

とりあえず初回は全店申請するでしょうね。でも、正直、ユーザーには認知されないんじゃないでしょうか・・・。

制度を申し込む際に、キャリアショップは9項目からなる「誓約書」を提出する。この誓約書は、「関係法令、ガイドライン、自主規制等を遵守すること」と「消費者保護の精神を堅持し、業界の健全な発展に寄与すること」といった9項目が定められている。更新制で、有効期間は1年。不適格と見なされたショップは審査を取り消される。

恐らくなんですが、この制度はキャリアに悪いように利用されて更に代理店が疲弊すると思いますね。
具体的には、
「あんしんショップ認定」となっていない代理店は、キャリアからの販売支援金が引き下げられる。

 

つまり、このままだと代理店は、

MNP・新規・光・電気サービスの獲得をしつつ

顧客満足度を上げ(非常によいをいっぱい貰う)

かつ、

誤解を招くような表現はしない。

抱き合わせでオプション加入させず、

丁寧にサービスを説明してオプションやクレジットカードに申し込みして貰うように。

(ただし数字の目標は今までよりも増える)

 

ってことですよね。

 

 

すいません。

 

 

 

無理ゲーです。

 

 

そもそもいまの人員じゃショップ回らないですよ。

 

どんだけお客様1人への接客時間延びるんですか。

こうした中で、あんしんショップ認定制度は「良貨をピカピカに磨いて悪貨を駆逐する」取り組みと表現。ショップ同士が向上心を持って競い合う必要があるとする一方で、「消費者の厳しい視点で、“このマークがあるのにこんな(悪い)対応なのかと声を上げることが、いい制度につながっていく」とした。

待ち時間短縮のために説明を省いたら省いたで、そんな説明聞いてないになって顧客満足度下がりますよね。

(現在のアンケートメールには、『○○というサービスがありますが、説明は受けましたか?』という項目があります。)

ちなみに説明を受けましたか?のサービスの内容は9割のお客さんが不要なサービスが少し前まで表示されていました。ソフトバンクカードとかソフトバンクカードとかソフトバンクカードとか。

携帯電話業界が健全になるためにはですね。

 

代理店に支払う手数料を厳しくしなければいいんですよ。

販売実績(新規・MNP、アクセサリー等)による評価、顧客満足度による評価を廃止するだけでだいぶ変わると思いますよ!!

 

減点方式は辞めてほしい><

 

たぶん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

以上、元販売員の意見でした。

2 件のコメント

  • ショップの店員です。どのキャリアも全く同じですね。
    今は(昔からですが)キャリア同士の戦いというよりも同じキャリアのショップ同士の潰し合いです。もちろんキャリアの狙いにみんなまんまと乗せられています。
    相手を蹴落とすために毎週のように外の商業施設に出向いてのキャッチセールスざんまい(通称店外イベント)です。
    今、コンビニとその親会社の問題が目立っていますが、ケータイショップも同じですよね。
    ケータイキャリアお得意のコンプライアンス(広義での法令遵守、顧客情報保護や不正契約などの防止や抑止、職場環境の適正などなど)・・・・。
    それを平気で捻じ曲げるようなノルマを店の閉店をチラつかせながら押し付けてくる諸悪の根源です。
    このために我々店舗スタッフは適正な販売も、顧客満足も、労働基準法に即した健全な労働も(お昼休憩や年間休日数や有給の取得など)奪われています。

    • お疲れ様です。
      以前とある店舗に勤務していた時、ライバル店から在庫確認の問い合わせもなかったのに、その店から客が誘導されてきた時はびっくりしました。
      たまたま在庫もなくその場でクレームになりましたし、家電量販店の適当な説明にも辟易しましたね。

      顧客満足も今でこそできませんでしたが一部の店員は自分でお客さんのところに届いたアンケートメールに回答してましたし、働いているときは何度も「この業界は一度滅びた方がいい」と思ってました・・・。
      キャリア本体は外向きにコンプライアンス法令順守を言ってますが、通達される数字目標(初回オプション加入率等)は真逆でしたね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    新卒で携帯電話販売代理店に勤めApple認定の「iPhone Master」の資格を取得、しかしそれがピーク。その後色んな会社転々とし、人生を彷徨っています……。