オリンパスのカメラ事業の売却に思うカメラ業界のこと(素人目線)

TAKASHIです。

先月、オリンパス株式会社が映像事業(カメラ)を分社化して日本産業パートナーズ(JIS)が管理運営関与するファンドすると発表しました。

映像事業の譲渡に関する意向確認書の締結について(PDFファイル)

カメラ業界自体がスマートフォンのカメラ性能強化に伴い販売不振に陥っており(今年は加えて新型コロナウィルスの感染拡大も追い打ちをかけている)、なかなか難しい状態になっています。

InstagramをはじめとしたSNSの充実、「インスタ映え」といった流行によって”スマートフォンのカメラ”を使っての写真撮影は圧倒的に増えていると思うので、『スマートフォンのカメラはカメラと認めない』ような意味に聞こえる「カメラ業界がスマートフォンに押されている」という表現はずっと疑問に思っています

ソニーの展開する「αシリーズ」は健闘していますが、それでも5月はデジカメ全体の出荷数が前年比約1/4まで落ち込んでいるようですので、手放しで喜べない状態のようです。

CIPA デジタルカメラ・交換レンズ出荷数量【Worldwide】月刊推移(PDFファイル)

イメージセンサーについて

※ここでは一番健闘しているソニーについて取り上げています。

画像はマップカメラより

ソニーはスマートフォンのカメラと一番差別化できるフルサイズという規格を採用しているのですが(その代わり大型化・重い)、オリンパスはマイクロフォーサーズという規格(小型・比較的軽量)カメラを採用しています。

小型軽量であるということは、オリンパスがPRしているとおり「機動力」に優れています。私自身もPEN-Fにしてから、α7IIを使っていた時よりも圧倒的に多く持って出かけています。

α7IIのときは旅行など大きなことがないと持ち歩くのが正直億劫になっていたのですが、PEN-Fぐらいのサイズだと気軽に街中に持ち出せます。

まさに下のオリンパスの動画の冒頭にある「いい写真を撮るための最初の条件」は「カメラを持っていること」がPEN-Fによって成されたわけです。

 

一方で撮れる写真はフルサイズと比較すると高感度部分で劣る場合が多く、写真にノイズ(ざらつき)が出やすかったり、レタッチ耐性が比較的弱い(写真の加工がしにくい)といったデメリットがあります。フォトコンテストに応募するような層はレタッチを多用するらしいので、そのときにレタッチ耐性が弱いと致命的なようですね。

センサーサイズによる差別化がしにくくなっている

スマホのカメラは年々に性能が大幅に強化されている

現在のiPhone 11 Proが1/3.6インチのセンサーを搭載していると云われていますが、Huawei P40 Proには1/1.4インチ、Xperia 1 IIには1/1.7インチが搭載され、さらに時期iPhone12(仮)には1/1.9インチのイメージセンサーが搭載されるとの噂がされ、徐々にコンデジと変わらない画質になりつつあります。

主戦場がSNSへ

それに写真の主戦場は紙や本ではなくSNS。次いでウェブ。閲覧はPCモニターではなくスマホで。

スマホのカメラではAIを使って誰でもいい感じの写真が取れるうえに、標準のカメラアプリや加工に特化したアプリを使って素早くSNSアップできるとなると、デジカメで撮った写真を一度家に戻ってからPCでレタッチしてその後SNSにアップではスピード感がないと思います。ブログなら全然アリだと思いますが。

一応カメラ内でRAW現像ができる機能を持ったデジカメもあるのですが、直観的に操作できるスマホアプリと違いなかなか難しい。カメラで撮ったものをスマホに転送して、スマホの加工アプリで・・・うーん面倒。

違いが分からない・・・。

上記サイトには、

  • iPhone 11 Pro(1/3.6インチスマホ)
  • ソニー ZV-1(1インチコンデジ)
  • 富士フイルム X100V(APS-Cコンデジ)
  • リコー GR III(APS-Cコンデジ)

の4つのカメラで撮影した写真があるのですが、私自身は正直スマホとAPS-C、フルサイズで撮った写真の違いなんて見せられても分かるほど審美眼を持っていませんし、すべて「フルサイズで撮った写真」と言われても余裕で信じられます!

私はカメラを持つきっかけが『営業マンをしている時に趣味がネットやゲームといったインドア系のものしかなかったので、取引先との雑談として使える趣味が欲しかった』という邪な心から始まり、現在は『カメラ専用機のカメラを持って写真を撮る行為をしたい』がためにカメラで写真を撮っているので、画質が最優先ではないからかもしれませんが・・・。

ふと思ったのですが、私が中学生の頃美術の授業があったのですがそこでは3年間ほぼ決まって絵を描くことになっていました。
これがもし写真だったら僅かな被写体ブレやピントを外しているということも分かるようになったのだろうか?と思ったけど、学校の予算の都合上、スマホやカメラを揃えるのはやっぱ厳しいよなぁ。
選択制とか抽選、スマホやカメラ所有者に限りみたいな感じにすればもしかしたら・・・?とも思ったけど。持っていないとそもそも受けられない授業があるっていうのもおかしいしなぁ。

他に比べて差別化しにくいマイクロフォーサーズ

機動力を求める→スマホ1台の方がよっぽど良い

画質を求める→AIでいい感じの写真が撮れ、劇的というほどの違いがあるわけではない

一方、同じマイクロフォーサーズ規格を採用しているパナソニックはカメラに動画性能に力を入れておりYouTuberに一定の支持を得ていますが、ライカやシグマと組んだ「Lアライアンス」を作り、フルサイズ機も市場に投入したため現時点では何とかなっていますが、今後マイクロフォーサーズの待遇はとなると厳しくなりそうです・・・。

スマホのセンサーサイズの大型化や性能強化に伴い映像事業では3年連続赤字続きだったオリンパス。

今までであれば1/2.3コンデジやマイクロフォーサーズを購入していたエントリー層はみなスマホで満足するようになり、そのエントリー層の次のステップがハイエンドスマホになり、デジカメにはなかなか進まない状態。進んでもマイクロフォーサーズではなくソニーのAPS-C機やフルサイズ機というのが現状。

さすがに赤字垂れ流しの部署をそのまま・・・となると医療事業の社員のモチベーションにも関わると思うので、今後もそのままというわけにはいかないのでしょう。

しかし、1ユーザーとして今後にも期待している

画像はオリンパスより

一応今後もサポートをしていくこと、新会社に移行後も「OM-D」や「PEN」の名前は使えること、レンズロードマップも更新され8-25mmF4、100mmマクロ、100-400F5.0-6.3および150-400F4.5TC1.25xの情報も出たので、今後も期待したいと思います。

画像はオリンパスより

本当に細かい話なんですが、個人的にブランド名について、「PEN」は、単純にPENだけでなく「OLYMPUS PEN」というオリンパスという名前を含めたブランドだと思っているので、OLYMPUSの刻印が今後見られなくなると思うと、そこはちょっと複雑です・・・。

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ABOUTこの記事をかいた人

新卒で携帯電話販売代理店に勤めApple認定の「iPhone Master」の資格を取得、しかしそれがピーク。その後色んな会社転々とし、人生を彷徨っています……。